口腔咽頭薬と言うとあまりピンと来ないかもしれませんが、いわゆる喉スプレーとうがい薬の話になります。
ここまでに説明してきた精神神経に作用する薬と同様に、口腔咽頭薬も精神神経に作用する薬の一部です。
口腔咽喉薬・うがい薬
口腔咽喉薬は、口腔内または咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするものです。
トローチ剤やドロップ剤、口腔内に噴霧または塗布して使用する外用液剤があります。
トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要です。
殺菌消毒成分が配合され、口腔と咽頭の殺菌・消毒などを目的とする製品もありますが、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていません。
含嗽薬は、口腔及び咽頭の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去等を目的として、水に希釈または溶解して使い、うがい患部に塗布した後に水でうがいする外用液剤です。
噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまう恐れがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射します。
抗炎症成分
声枯れ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み、喉の腫れの症状を鎮めることを目的として、抗炎症成分が用いられます。
- リゾチーム塩酸塩
- グリチルリチン酸二カリウム
- トラネキサム酸
炎症を生じた粘膜組織の修復を促すため、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されている場合もあります。
- ショック(アナフィラキシー)
- 皮膚粘膜眼症候群
- 中毒性表皮壊死融解症
鶏卵アレルギーの既往歴がある人では使用を避ける
殺菌消毒成分
口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として使用されます。
- セチルピリジニウム塩化物
- デカリニウム塩化物
- ベンゼトニウム塩化物
- ポビドンヨード
- ヨウ化カリウム
- ヨウ素
バセドウ病・橋本病などの甲状腺疾患がある人は使用しない
血液-胎盤関門を通過するため妊婦は使用しない
クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬については、口腔内に傷などがある場合、強い刺激を生じることがあるため使用は避けます。
局所保護成分
喉の粘膜を刺激から保護する成分として、グリセリンが配合されている場合があります。
日本薬局方収載の複方ヨード・グリセリンは、グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素、ハッカ水、液状フェノール等を加えたもので、喉の患部に塗布して殺菌・消毒に用いられます。
抗ヒスタミン成分
アレルゲンによる喉の不快感等の症状を鎮めることを目的として、口腔咽喉薬にクロルフェニラミンマレイン酸塩のような抗ヒスタミン成分が配合されている場合があります。
生薬成分
- ラタニア
クラメリア科の植物の根を基原とする生薬で、 咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用により炎症の寛解を促す効果を期待して用いられます。
- ミルラ
カンラン科のミルラノキなどの植物の皮部の傷口から流出して凝固した樹脂を基原とする生薬で、咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用のほか、抗菌作用もあります。
- その他
芳香による清涼感等を目的として、ハッカ、ウイキョウ、チョウジ、ユーカリ等から得られた精油成分が配合されている場合があります
まとめ
最初にもお話した通り、この口腔咽頭薬は出題頻度が少なめではあるので、満点を目指さない限りは確認程度でも問題ないと考えています。
これよりも大事なポイントはたくさんあるので、そちらを優先すべきかもしれません。
…が、第3章は登録販売者資格試験で一番覚えることが多い章です。
まだまだ第3章は続きますので、頑張っていきましょう!
次は胃腸に作用する薬について学んでいきます!